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2016年02月29日
債権回収・保全     民事介入暴力関係     知的財産権関係
相続関係     独占禁止法関係

弁護士 : 久保井 一匡

最近の民商事関連法改正の動き

 2016年を迎え、皆様あけましておめでとうございます。昨年は、ヨーロッパの中核国家であるフランスにおいて度重なる大規模なテロ事件の発生など世界の人々を恐怖に陥れる暗いニュースが多かったですが、他方CO2の削減について、パリ協定がようやく成立するなど良いニュースもありました。日本では、2人の日本人のノーベル賞受賞、ラグビーでの日本人の活躍など明るいニュースも沢山ありました。本年は、皆様にとって少しでも明るい良い年にできるよう念じます。

 さて、最近のわが国の民商事法関係の法改正の動きをお伝えします。
 

1.相続法の改正

 債権法改正案は、昨年国会に提出されましたが、安保法制の審議が優先されたため、未だ成立していません。間もなく成立すると思われますが、改正案の内容はすでにご承知の方も多いと思いますが、保証制度、消滅時効、債権譲渡、債権者取消権、代位権など実務に大きな影響を及ぼすものが多数含まれています。

 法務省は、債権法につづいて相続法の改正の作業を進めています。主なものとしては①配偶者の居住を保護するための措置、②婚姻期間の長短によって配偶者の相続分を弾力化する措置の是否、③預金債権などの金銭債権を不可分債権化する措置(相続による当然分割を認めない)、④遺言の方式、例えば自筆証書遺言の方式を署名のみで可とする。訂正の方式の簡素化、自筆証書遺言の公的保管制度、遺言執行者の権限の明確化、遺留分制度、寄与分制度の見直しなど多岐にわたっています。本年2月末には中間試案が示され、パブリックコメントに付されることになっています。
 

2.民事執行法の改正

 債権者がせっかく勝訴判決を得ても強制執行できずに終わることを避けるため①財産開示制度の実行性の向上策、②不動産競売手続への暴力団介入防止、③子の引渡しに関する執行方法の明確化などが学者、実務家などの研究会で検討されています。
 

3.特許法改正

 いわゆる職務発明について大きな改正がありました。雇用契約の締結の際に特約すれば発明の完成時点で会社に特許権が帰属することになります。
 

4.不正競争防止法の改正

 営業秘密の保護が強化されました。旧法では営業秘密の第2次取得者までが処罰の対象となっていましたが、今後はその後の取得者も悪意があれば処罰されます。また、損害賠償請求については立証責任の転換がされます。
 

5.独占禁止法などの改正

 公取委の審判制度が廃止され、排除命令などに不服のある者は東京地裁に提訴することになりました。

 その他、変化の激しい時代ですから、さまざまな法制度の改正が検討されています。皆様におかれましても、日々関心をもって対応されますようお願いします。

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